紫のガイコツ
2022年10月15日
この置物はなんなんでしょう。木彫りです。人の形をしています。ガイコツのようでもあります。でも、なぜ紫色なのでしょうか。
人形を作るのはわかります。彫っていて、ガイコツみたいにしてやろう、もわかります。しかし、彫り終わったあと全身紫にぬってやろう、と思うでしょうか。
体に赤い丸を描こう、歯をところどころ赤くしよう、頭のてっぺんにはアーチェリーの的みたいなやつ描こう、となるでしょうか。
あるいは、元ネタがあるのかもしれません。どこかの部族の人形が元なのかもしれません。
そうすると、その部族は、なぜそのような人形を作ってみようと思ったのでしょうか。
紫にしようなどという発想力は私にはなく、この奇想天外さが、この人形が私を引きつける理由なのかもしれません。
黒い毛をのせるとミュージシャンみたいになります。
はて、私は、なぜ黒い毛をのせてみたのでしょう。
それは、そうしてみたらどうなるのかな、面白くなるのかなという、好奇心です。
なら、この置物を作った人も、紫色にしたのは、ちょっとした好奇心だったのかもしれません。世の中にはいろいろな色があります。作った人は緑をぬってみたり黄色をぬってみたり様々な色を試して、紫色をぬってみたとき、これは面白いとなったのかもしれません。この形になるまで、無数の捨てられた作品があるのかもしれません。
発想は、地道で小さな試行の連続から生まれるのかもしれません。